またどこかへお得な切符で一人旅したいなと思って探していたら、ちょうど良さげなものを見つけた。「三宮・姫路1dayチケット」。三宮から姫路まで、山陽電鉄が1日乗り放題で1,700円。往復するより安いし、これはなかなか面白そうだ。そういえば姫路って、セントラルパークには行ったことがあるけど、姫路城はまだ行ったことがなかったなあ。歳を重ねると、古城とか社寺仏閣とかに惹かれるようになるのかな。というわけで、さっそく候補地をリサーチ。姫路で「姫路城」と「えきそば」、加古川で「かつめし」、明石で「タコ」、舞子で「明石海峡大橋」、最後に元町をぶらぶらするプランに決定。食べ物ばかりになったけど、まあそんなもんだろう。
朝5時に出発。まずは阪急「大阪梅田」駅へ。山陽電鉄1dayチケットの最寄りの購入場所は神戸市営地下鉄「三宮」駅らしい。なので、そこまでは一番安い阪急電車で行くことに。予定よりだいぶ早く出たので、歩くのが好きな自分は梅田まで歩いて行こうと思い立つ。大阪城公園を通ると、しばらく行っていなかった大阪城のラジオ体操が時間的にピッタリだったので、ちょこっとだけ参加することにしたが、結局フルタイムになってしまった。とりあえず最寄りの地下鉄から阪急「大阪梅田」駅へ向かう。ちなみにこの駅は9線10ホームを持つ、日本最大の私鉄ターミナル駅らしい。
大阪梅田から神戸三宮までは特急で約30分。あっという間だ。でも、歩くと7時間ほどかかる。実際に一度、三宮から大阪まで30kmほど歩いたことがあるけど、2号線沿いは歩道が広く整備されていて歩きやすい。
もう少し元気な頃は、「姫路城から大阪城まで100kmを24時間以内で歩くウォーキングイベント」に参加してみたいと思っていたこともある。朝に姫路城を出発して、夜通し歩き続け、翌朝に大阪城へたどり着くというもの。加古川や明石、舞子の海沿いを経由して大阪まで向かうルートで、今回の1day旅と重なる場所も多い。100kmという距離はやはり簡単ではない。結局、体調や予定が合わず参加できなかったけど、今でもちょっとやってみたい気持ちはある。
「神戸三宮」駅に着いたら、地下鉄の「三宮」駅で「三宮・姫路1dayチケット」を購入。自販機では売っていなかったので、窓口で購入した。さあ、8時発の特急で一気に「山陽姫路」駅へ向かう。車内は空いていて快適。姫路に着いたのは9時過ぎだった。
まずは腹ごしらえをしようと名物の「えきそば」を食べようと思ったが、駅構内の店はJR側のみ。外の店舗は10時から開店とのこと。それにしても、駅を出てすぐにまっすぐ延びる大通りの先に姫路城が見えるのは圧巻だ。遠くからでも存在感がある。10時になり開店したので、さっそく入店。和風だしに中華麺という組み合わせで、朝にぴったりの優しい味。個人的には普通のそばの方がいいかな。でも名物としては一度食べる価値ありだと思う。
お腹も落ち着いたところで、いよいよ姫路城へ。間近で見ると想像以上に大きく、真っ白で本当に美しい。白鷺城と呼ばれるのも頷ける。観光客、特に外国の方が多くて、城内に入るのは断念。その代わり、外を一周して堀のまわりをゆっくり歩く。天気もよく、風が気持ちいい。堀の鯉も気持ちよく泳いでいる。歩いているだけで楽しい。
城を出てからは、みゆき通り商店街をぶらぶら。清潔感があって、意外と長い商店街だ。そろそろ喉も乾いてきたので、少し横道に入ると、いい感じの立ち飲み屋を発見。軽く喉を潤して姫路をあとにすることに。

次は加古川へ。「かつめし」を食べるのが目的だ。ご飯の上にビーフカツをのせて、デミグラスソースをかけた加古川のソウルフード。お店は「本家かつめし亭」に決定。最寄り駅は「浜の宮」駅で徒歩20分。まあ、せっかくだから加古川を渡ってみたくて、2つ手前の「高砂」駅から歩くことにした。天気が良く、川の水も澄んでいて風が気持ちよかった。50分ほど歩いて到着。店内は満員だったけど、1人だったのですんなり座れた。メニューはA4ランクの「並」とA5ランクの「特選」。ここは迷わず「特選(ご飯は並)」を注文。5分ほどで運ばれてきたかつめしは、見た目からしてうまそう。味は少しあっさりめだが、ソースや一味で味変するとちょうど良い。何より肉が柔らかくて、ボリュームもちょうど良かった。

次は明石へ。お腹を落ち着かせるために、特急が停まる「別府」駅まで40分ほど歩く。電車に乗って「明石」駅で下車し、目的地の「魚の棚商店街」へ向かう。駅から5分ほど。思っていたよりもずっと賑やかで、地元の人も観光客も入り混じってにぎわっていた。食べ歩きするか迷ったが、ビールが飲めるところでタコ串を頼んだ。タコは柔らかく、それでいて弾力があって美味しかった。場所を変えて明石焼(こちらでは玉子焼)を食べようかと思ったが、さすがにお腹がいっぱいになってきたので断念。代わりにハイボールと刺身を注文。最後にお土産のタコせんべいを買って、ほろ酔い気分で長居してしまった。

気がつけば夕方。日の入り前に「舞子公園」へ向かわないと、夕暮れの明石海峡大橋を見逃してしまう。急いで電車に乗り、なんとか間に合った。淡路島と明石海峡大橋を一望できる景色は想像以上で、しばらくぼーっと眺めていた。
すっかり暗くなってきたので、最後は「元町」駅で下車して三宮までぶらぶらと歩く。元町を歩くのはめちゃくちゃ久しぶりだ。途中でお土産に三宮一貫楼の豚まんを購入。名前はよく聞いていたが、食べるのは今回が初めて。南京町の老祥記は何度か食べたことがあるが、こちらも行列ができていて、20分ほど並んだ。
気付けばもう19時を回っていた。そろそろ帰ろう。姫路、加古川、明石、神戸。よく食べて、よく歩いた一日だった。




